中国の警察が21台のiPhone 4購入、「税金の無駄遣いだ!」との批判も。
中国では先日、遼寧省撫順市の財政局がUSBメモリと称してアップルのiPod touch(32GBモデル)を7台購入したことが発覚し、世間から非難を浴びるという一件があった。そしてこのたび、同様の行為が別の地域でも明らかとなり、ネットを中心に市民の怒りを買っている。
中国メディア中国網などによると、今回ネットの掲示板で暴露されたのは、蘇州市政府関連の備品購入入札制度を請け負う企業が作成したリスト。リストは12月20日に告知され、蘇州市の公安局交巡査分遣隊が任務に必要な備品を羅列したものだ。
騒動の引き金となったのはこのリストに「21台のiPhone 4(32GBモデル)が必要」と記されていたため。使用目的は「視頻指揮調度工作」とあるが、現在中国におけるiPhone 4(32GBモデル)の単体価格は5,999元(約75,000円)で、市場に出回っているほかの類似端末よりも比較的高い。中国の一般市民が気軽に購入できる製品ではないため、「税金の無駄遣いだ!」との声が次々と上がった。
しかし、批判を受けた当の蘇州市公安局交巡査分遣隊は、こうした声に反論。同隊の副政治委員は「蘇州市が構築している都市知能交通モニタリング・システムをモバイル端末と統合します。今後はビデオ端末を通じて都市のリアルタイムの道路状況を確認することができるようになるのです。iPhone 4は最新鋭の端末であり、その性能は同システム利用には欠かせない」としている。
また、「税金の無駄遣い」という意見に対しては「iPhone 4は通話料金込みの長期契約で購入しており、実際はほかの端末を購入するよりも安く済みます。無駄遣いどころか、かえって節約」とし、市民の反発はあっても、購入する意向に変わりはないようだ。
ネットユーザーの中にも警察の説明に理解を示す人はもちろんいる。しかし、中国の物価からすれば高価な買い物だけに、警察の返答内容には「iPhone 4購入の理由としては、説得力にまだ欠ける」と感じている人が多いようだ。