1歳の女の子が酔っぱらいを熱演、スウェーデン人監督の作品に大反響。

4/6 08:18 掲載
1歳の女の子が酔っぱらいを熱演、スウェーデン人監督の作品に大反響。

本人は楽しくても、周囲にとっては迷惑な存在になりがちの酔っぱらい。日頃の鬱憤を晴らすべく奔放な気分になりたい気持ちはよく分かるが、周囲の関係ない人々に不快な思いをさせないよう、常に自覚しておくだけの理性を残すのが良い大人の務めだろう。しかし、普段はあまり酔っぱらいを快く思っていない人でも、これから紹介する動画に出演する酔っぱらいを見たら、思わず頬がゆるんでしまうかもしれない。それは、あるスウェーデン人監督が映画祭に出品するために制作した1分20秒あまりの映像作品。今年2月にYouTubeへ投稿されて以降、これまでに700万回近い再生回数を記録しており、大きな反響を呼んでいるようだ。  

この動画は、スウェーデンの映画監督ヨハネス・ナイホルム氏が製作した「Baby trashes bar in Las Palmas」(http://www.youtube.com/watch?v=cds7lSHawAw)。モロッコ近くのアフリカ大陸沿岸に浮かぶ、スペイン領カナリア諸島にある街ラス・パルマスのバーを舞台にした1分21秒の動画で、出演しているのは数体の操り人形と、1歳の女の子だ。

英ニュースサイトのスモールワールド・ニュースサービスによると、女の子の役どころは「中年の女性」というが、見た目は何とも可愛らしい女の子そのもの。ところが、動画を見ていくうちに女の子があたかも酔っぱらいのように見えてくるのが、この動画の面白さかもしれない。動画は、バーテン役の人形が"女性"(=女の子)のテーブルにビールを運んでくるシーンから始まる。瓶からジョッキにビールが注がれ、"女性"がそれを飲み始めるとストーリーの面白さが広がり始めるのだ。

周囲には、客役の人形たちが落ち着いた雰囲気を醸し出す中、"女性"はジョッキが終わると今度は瓶をラッパ飲み。さらにお酒は進んで、カクテルやワインも飲み干すと、再びビール瓶を持つころにはテーブルの上は食べ物や飲み物をこぼしてぐちゃぐちゃの状態だ。手や服にも飲み物をこぼし、すっかり"酔っぱらいの女性"と化した女の子は、植木を倒しながら立ちあがると、別のテーブルの客が食べていた料理に手を伸ばしてつまみ食いまで敢行。この辺りでは、もう好き放題に暴れる女の子の姿や表情が、だんだんと酔っぱらいのように見えてくる人も少なくないかもしれない。

最後に見せる、テーブルへ体を預けようとしたのに手を滑らせて転ぶシーンなどは、まさに酔っぱらいの名演技。女の子自身は当然、本当に酔っぱらっているわけではなく、普段と変わらぬ行動をしているだけなのだが、画面の作り込みによって女の子の動きを酔っぱらいに見立てているのがこの動画の面白いところだ。ちなみにこの作品は、1月28日から2月7日まで開かれた第34回イェーテボリ国際映画祭(スウェーデン)に出品され、「ベストショートフィルム賞」と「オーディエンス賞」を獲得したという。

実は、出演している女の子はナイホルム監督の娘で、今回の作品は「すべて彼女からインスピレーションを得て」制作したそう。公開当初には「大人の女性を、子どもを使ってからかっている」など様々な批判の声もあったというだけに、ネット上で好意的な声が多く上がり、グングンと再生回数を伸ばしたことには驚きを隠せないようだ。

2月14日の投稿以降、現在までに692万回超の再生を記録し多くの人が楽しんだようだが、作品はこれで終わりではない。5月には13分30秒の完全版動画も出来上がる予定とされ、この作品を楽しんだ人は、完全版の登場もぜひ楽しみにしてもらいたい。

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