ジャッキー・チェン、スタントは常に怖い「『今回は死ぬかもしれない』と考える」

ジャッキー・チェン(71歳)は、常にスタントに恐怖を覚えているという。
スタントマンとしてキャリアをスタートさせ、俳優に転身したジャッキーだが、大掛かりなシーンの撮影前には必ず緊張し、果敢なアクションシーンが失敗した場合の代償が常に頭によぎるそうだ。
スイスのロカルノ映画祭に参加したジャッキーはこう話す。
「僕はスーパーマンじゃない。怖いよ。スタント前には、『今回は死ぬかもしれない』と考える」
70代に突入した今でも格闘シーンは自分で演じられると話すジャッキー。自分が出演する映画は常に最高のものにしたいと続ける。
「観客の皆は雨、プロデューサー、予算削減なんか知る由もない。ただ良い映画を見たいんだ」
「僕はそれを常に思い出す。そして全てのシーンを完璧にしようと試みる。昔の映画は今のものより上質だった」
「今の大手のスタジオは映画製作者じゃない、ビジネスマンだよ。最近は良い映画を作るのが非常に難しくなっている」
2020年の映画「プロジェクトV」では、ジェットスキーの追跡シーンの撮影で水中から出られないハプニングを経験したジャッキー、同作のアウトテイク映像の中で水からようやく出た後、「ワオ、死ぬかと思った」と話していた。
同作のスタンリー・トン監督は当時の状況について、こう回想していた。
「彼は後ろにあった大きな岩のせいで水中に閉じ込められ浮上できなかったんだ。私は本当に恐かった」
「安全管理の人々が彼を水から引き上げた時、呼吸しているのがわかって、『神様、ありがとう』って叫んだ。私は泣いていた」
「ジャッキーは『水の流れが強すぎて動けず、大きな岩に押し付けられた』って言っていた。『冷静を保つ』ことだけを考えたって」
「けれど、その夜ホテルでディナーの後、一緒にコーヒーを飲んでね。カップを握りしめる彼の腕は震えていた。『本当に怖かった』って私に言ってきたんだ」
一方でジャッキーのことをトン監督は当時、こう賞賛してもいた。
「私たちはアウトテイクを公開することで、ジャッキーが66歳であってもプロの俳優であり、アクションを愛していることを証明したかった」
「彼は今も何でも自分で試したいと思っている。それが彼の情熱と献身、映画業界への忠誠心だ」