開発進む“尿を飲料水に変える宇宙服”、宇宙飛行士の健康リスク低減目指す

7/18 08:23 掲載
開発進む“尿を飲料水に変える宇宙服”、宇宙飛行士の健康リスク低減目指す

"尿を飲料水に変える宇宙服"の開発が進められている。

米コーネル大学の研究チームによって、映画「DUNE/デューン 砂の惑星」のスティルスーツさながら、87%の排泄物を5分で飲料水に変える装置を備えたプロトタイプを完成させた。

学術誌のフロンティアーズ・イン・スペース・テクノロジーに掲載された同研究について、著者のソフィア・エトリン氏はこう述べている。

「この設計では真空ベースの外部カテーテルが正浸透と逆浸透を組み合わせたユニットに繋がっていて宇宙飛行士の健康を確保する複数の安全機構を備えた飲料水を継続的に供給します」

ちなみに現在、長時間宇宙遊泳を行う宇宙飛行士は、最大吸収性衣類(MAG)と呼ばれる、おむつのようなものを着用することとなっている。

しかし宇宙飛行士の健康上のリスクを考慮し、MAGからの脱却を図りたいとしてエトリン氏はこう続ける。

「MAGが漏れて尿路感染症や胃腸の障害など健康問題を引き起こしたことが報告されています。さらに宇宙飛行士は現在、スーツの中のドリンクバッグで1リットルの水しか利用できません」
「これは10時間、緊急時には24時間に及ぶ月の宇宙遊泳の計画には不十分です」

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